メタバースにハマっているYU-RI(@jiyucho33)です!
今回はメタバース初心者におすすめの「メタバース 完全初心者への徹底解説」の要約&書評を紹介します。
個人的にメタバースに興味がありこの本を読んでみました。
メタバースの利用事例がわかりやすく具体的に書かれているので読みやすかったです。
フォートナイトやマインクラフトは知っていますが、The SandboxやDecentralandはこの本で初めてしり興味が湧きました。
もちろんゲーム以外の利用方法も書かれているので、これからメタバースがどのように社会に浸透していくかイメージしやすいと思います。
この本は「今すぐにメタバースを体験したい!技術的なことは置いておいてどのようなことができるのかざっくり知りたい!」という方におすすめです。
▽メタバース 完全初心者への徹底解説
メタバース 完全初心者への徹底解説の概要
2021年10月末、Facebookが社名をMetaに変え、メタバース事業に注力することが発表され、世界中の話題となりました。
メタバースとは何でしょうか。基本的には、仮想世界の中で各ユーザーがアバターとして自由に行動できるものというイメージなのですが、あまりにも多種多様なサービスが出現していて、とても一言では定義できない状態です。
本書では、メタバースの具体事例を1つ1つ解説しながら、多種多様なメタバースの形態を読者の方がご理解できるように努めました。
メタバースは、ただのバズワードではなく、今後大きく世界を変える可能性を持った技術だと思います。いま何が起こっているのか、そして今後どのようなことが起こりそうなのか、本書で概要をつかんで頂くことができれば、筆者として本望です。
(Amazonより)
メタバース 完全初心者への徹底解説の要約
メタバース 完全初心者への徹底解説の要約ポイントは以下の3つです。
- メタバースとは「インターネットを通じてアクセスできる3次元仮想世界で、同時に多人数が参加してコミュニケーションできる世界」
- メタバースではVRやブロックチェーン、NFTなどの技術が使われ、様々な分野で利用される。
- 技術の進歩やコロナ禍が追い風となり、メタバースの未来に期待できる。
それでは一つづつ解説していきます。
メタバースとは?(メタバースの定義)
まず、最初にメタバースという耳慣れない言葉から説明していきましょう。
メタバースとは、メタ(meta:超)とユニバース(universe:宇宙)の合成語です。メタという言葉は、ある世界から超越した世界、次元が異なる高次元の世界、といった意味合いで使われます。
例えば、メタデータという言葉があります。これは、「データについてのデータ」という意味になります。電子データであれば、文書、数値、画像等が実データですが、この実データを管理するためにファイル名、作成年月日、保存場所等の管理情報が必要です。これが、メタデータです。
同様に、私たちが暮らしている実世界(universe:宇宙)に対して、それと次元が異なる世界といった意味合いが、メタバースという言葉の語源になっているようです。
多くの人が捉えているメタバースの意味は、「インターネットを通じてアクセスできる3次元仮想世界で、同時に多人数が参加してコミュニケーションできる世界」といったところでしょうか。とはいえ、どこまでがメタバースになるのかという厳密な定義はなく、人により、企業により、メタバースが指す内容が異なっているというのが実態です。
投資家のマシュー・ボール氏が説明している内容は、とても分かりやすく、ある程度正確にメタバースというものを表しているように思いました。彼自身も、「メタバースが出現し始めたばかりの現時点で全ての物を表せるような単一の定義を行うべきではない」と言っているのですが、そのうえで、メタバースの「コア属性」として7つの性質を挙げています。
1.永続的であること:「リセット」や「一時停止」や「終了」をせず、無限に続く。
2.同時多発的でライブであること:事前にスケジュールされた自己完結的なイベントも「現実の生活」と同じように起こる。
3.同時接続ユーザー数に制限がなく、各ユーザーに「存在感」を与えること:誰もがメタバースの一部となり、特定のイベントや場所、活動に同時に参加することができる。
4.完全に機能する経済であること:個人や企業は、メタバースで創造、所有、投資、販売することができ、他の人にとって価値のある仕事に対して報酬を得ることができる。
5.デジタルとフィジカルの世界の両方にまたがること:プライベートとパブリックのネットワーク、オープンとクローズのプラットフォームの両方にまたがる体験ができる。
6.前例のない相互運用性を提供すること:メタバースのそれぞれの世界で利用するデータ、アイテム、アセット、コンテンツなどを、各世界をまたいで相互に使うことができる。
7.幅広い貢献者によって作成・運営されること:独立した個人もいれば、非公式に組織されたグループや商業目的の企業など、幅広い貢献者によって作成・運営される「コンテンツ」や「体験」が存在する。
このような7つの条件に大体当てはまるようなものを、現時点ではメタバースと呼んでいると理解して良いと思います。
メタバースの代表事例
ここからは様々な分野で利用されるメタバースの代表事例をご紹介します。
コミュニケーション編
ゲームだけではありません。もっと、仮想世界で人々がコミュニケーションすることに特化したツールもあります。
マインクラフトはブロックを積み重ねてつくる世界でしたが、VRChatではよりリアルに仮想世界が作成されています。
仮想世界の作り方も公開されているので、世界中の様々なユーザーが工夫を凝らした仮想世界を作っています。その世界の中に入り込んで、ユーザー同士が会話を楽しむことができるのです。
【コミュニケーション分野のメタバース利用事例】
- Facebook(Meta) Horizon Workrooms:メタバース内でミーティングができる
- Microsoft Mesh for Teams:Web会議、チャット、ファイル共有、タスク管理などが統合されたツール
- VR Chat:ユーザー同士がコミュニケーションできる仮想世界。
- グリー REALITY:自分のアバターを作りバーチャルライブ配信ができるアプリ
- Cluster:仮想世界でコミュニケーションができるサービス
ゲーム編
ネットを通じたRPG(ロール・プレイング・ゲーム)や対戦型ゲームは古くから存在していました。これらをメタバースと呼ぶ人は、少ないように思います。
一方で、マインクラフトのようにゲームをクリアするという共通目的が存在せず、プレイヤーが仮想空間上に地形や建物などを自由に構築し、プレイヤー同士で交流するようなゲームについては、メタバース的な性格が強くなります。
マインクラフトは、PC、タブレット、ゲーム機などでプレイする人が多いですが、VRヘッドセットでもプレイできるようになっています。その点でも、メタバース的であると言えます。
【ゲーム分野のメタバース利用事例】
- フォートナイト:オンラインでできるバトルロイヤルゲーム
- マインクラフト:仮想世界内にブロックを配置して自然背景や町並みを作りサバイバルを楽しむゲーム
- ROBLOX:ユーザーがオリジナルのゲームを公開し収益を得ることができる。
- あつまれ どうぶつの森:任天堂が発売したユーザーが無人島を開拓したり、他ユーザーとコミュニケーションができるゲーム。通称「あつ森」。
ブロックチェーン編
仮想世界の中で仮想通貨を使った取引が行えるサービスも増えてきました。
Decentralandでは、仮想世界の中の土地や、アバターが身に着ける衣服等の様々なアイテムを取引することができます。
この世界での取引で使われるのは、MANAという仮想通貨です。イーサリアムというブロックチェーン技術をベースにした仮想通貨であり、このDecentralandの中で使えるというのはもちろんのこと、普通に市場で取引されています。
【ブロックチェーンに関する基本的用語について】
メタバースのサービスの中では、ブロックチェーン技術を使ってサービス展開をするものが増えています。前提知識として、以下の3つの言葉を理解することが不可欠となりますので、簡単に説明します。
- ブロックチェーン
- イーサリアム
- NFT
ブロックチェーンの技術とは、その名のとおり、暗号化した情報が次々に連鎖する仕組みです。
それぞれの取引履歴が順番にブロックに格納されています。1つのブロックだけを改ざんできたとしても、それでは過去の取引履歴と矛盾してしまうので、全てのブロックを改ざんしなければ改ざんが成立しません。だからこそ、暗号としての強度が非常に高くなっています。
ブロックチェーン技術を使った仮想通貨で、最も有名なのが2009年に誕生したビットコインですが、2番目に有名なものが2015年に誕生したイーサリアムです。
ビットコインは、ブロックチェーン上で実現した仮想通貨です。取引された履歴を確実に記録することで、通貨としての価値を技術的に担保するとともに、ネットワークを通じで他者へ効率的に送金できるという点が大きな特徴でした。
イーサリアムも同様に仮想通貨としての機能を持っていますが、さらに「スマートコントラクト」という素晴らしい機能を持っています。この機能を使えば、仮想通貨のやりとり(契約)方法、つまり、「どのような条件を満たせば、誰から誰へ、いくらの通貨を送るかといった方法」について、自由にプログラミングできるのです。この機能のおかげで、マーケットプレイス上で様々なルールを定めてコンテンツを流通させることが可能になりました。
NFT(NonFungibleToken)は、様々なデジタルコンテンツに対して取引履歴を保証するデジタル技術です。
NFTの技術を使って作成したコンテンツは、イーサリアム等のブロックチェーン技術を使って取引履歴が記録されています。誰から誰へ受け渡されたという取引履歴がしっかりと記録され、現実的には改ざんできない状態になっています。また、目に見える画像としてのコピーは容易ですが、取引履歴情報も含めた完全なコピー(つまり、2個目のにせもの)を作ることも現実的にはできません。
また、NFTはマーケットでの新たな流通方法も自由にデザインできます。スマートコントラクトを使って、取引ルールを自在にプログラミングできるからです。例えば、コンテンツを売買する際に、最初の取引だけでなく、その後の二次流通でどんどん高値になっていった場合に、コンテンツの制作者自身にも一定割合のロイヤリティが入るというような複雑な仕組みも実現できます。
このNFTを使って、デジタルコンテンツを流通させるという動きが2017年頃から始まり、2021年初頭に世界中で爆発的な流行を生み出しました。
【ブロックチェーン分野のメタバース利用事例】
- The Sandbox:イーサリアム・ブロックチェーンを基盤にしたNFTゲーム
- Decentraland:イーサリアム・ブロックチェーンが使われているが、The Sandboxよりもリアルに近い。
メタバースへの今後の期待と展望
2006年頃のメタバース第1次ブームは、数年で終わってしまいました。2021年に始まったメタバース第2次ブームは、今後どうなるのでしょうか。
参考になるのは、AIの発展の歴史です。第1次AIブームは1960年代。そこから冬の時代を経て第2次AIブームが始まったのが1980年代。そして2回目の冬の時代を経て、ようやく第3次AIブームで世の中にも技術が広く使われるようになりました。このAIの歴史から分かることは、揺り戻しが大きいということです。
新技術が登場する時には、あれもこれも実現できるという期待値が膨らみます。また、投資活動の特徴でもありますが、期待が期待を呼んで、投機的な状態になることも多いです。そして、ある時期を臨界点として、「あれ、思ったほど大した技術じゃなかった」と思う人が増え始めると、急速に熱が冷め、人が去っていきます。
しかし、もう1つAIの歴史から分かることがあります。
それは、普通の人、普通の企業にとって役に立つことが分かれば、本当の普及段階へ進むということです。第3次AIブームが、一過性ブームに終わらずAIの普及につながったのは、機械学習、深層学習(ディープラーニング)のような強力な技術手段を軸として、画像認識、音声認識といった技術が日常で役に立つレベルになったからです。
今でこそ、スマホで顔認証を行い、音声で指示することが普通になってしまいましたが、このように「普通に便利」という状態になることこそが、技術普及の分水嶺です。
翻って、メタバース第2次ブームはどうでしょうか。コロナ禍にあるということは、環境要因としては大きな追い風です。多くの人が離れて作業やコミュニケーションをせざるを得ない環境に対して、メタバースは大きなアドバンテージを持ちます。
あとは、操作性だと思います。小さなことかもしれませんが、戦略は細部に宿るという言葉どおりであり、操作するのにストレスを感じるかどうかという点はとても重要です。現時点では、まだ操作性の観点から拍手絶賛できるものはないように思います。しかし、ここもすぐに改善されるのではないかと期待しています。
普通の人が、普通に便利だと思えるメタバースが実現したときには、我々の生活も働き方もずいぶん変わるはずです。そんな未来を夢見ながら、今後のサービス展開に注目し続けたいと思います。
メタバース 完全初心者への徹底解説の書評
メタバースの理解を深めたいと思い「メタバース 完全初心者への徹底解説」を読みました。
一言で言うと、「メタバースの様々な利用事例が豊富に書かれた本」です。
前回読んだ「メタバースとは何か」はメタバースが生まれるまでの歴史や技術に触れているページが多く、具体的な利用事例が少ないように思います。
その点と比べると、この本は利用事例が整理されて具体的に書かれているので読みやすかったです。
個人的には「メタバースとは何か」で歴史背景を知り、「メタバース 完全初心者への徹底解説」でメタバースの利用事例を知るということで、2冊読むと一気にメタバースの理解が深まると思います。
この本は「今すぐにメタバースを体験したい人」におすすめの一冊です。
▽メタバース 完全初心者への徹底解説
コメント